ジャケットのタイトルには、演奏家名とベートーヴェンの名前の他に、シュニトケの名前がはっきりと有る。
カデンツァはクラシック音楽では誰のものを使って録音されているかは、必ずチェックするものだけどライナーか、小さい解説で見つけることが出来るくらいだ。
なぜか、このCDはベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲が一曲でしか無い。小曲ぐらいおまけでついていないのかな、と思ったのだけどヴァイオリン協奏曲が45分超で演奏されている。ちょっとした大型シンフォニー並だ。これをコンサートのプログラムに組み込んだら、他にハイドンのシンフォニーが演奏できるぐらいだろう。
第一楽章だけで25分有る。シュニトケのカデンツァがベートーヴェンが書いた第一楽章全体と同じくらい長い。そのカデンツァにはベートーヴェンの交響曲第7番やら、印象的なヴァイオリンのパートのフレーズが色々と登場する。しかも、ティンパニとの掛け合いまで有る。
第2楽章でも、カデンツァでもないところでヴァイオリンの即興がいたるところで割り込んでくる。終楽章も同様で小カデンツァと大カデンツァがヴァイオリニストに休みを与えたくないようだ。
ベートーヴェンの音楽を解釈しながら聴くとか出来ないくらいにヴァイオリンの妙技に魅了されるばかりだった。
Ludwig van Beethoven
Violin Concerto in D major, Op. 61
Composer: Ludwig van Beethoven
Performer: Gidon Kremer
Conductor: Sir Neville Marriner
Ensemble: Academy of St. Martin in the Fields
Label : Philips